JP EN
English

MESSAGE

在学生

在学生

中村 園子
NAKAMURA Sonoko

ヘルスシステム統合科学研究科

高度実践人(グローバル)認定

Profile
兵庫県出身。岡山大学工学部化学生命系学科を卒業後、大学院ヘルスシステム統合科学研究科に進学。
学部在籍中にダブリンシティ大学への留学を経験。現在は統合科学を専攻し、「ヘルスシステム」を取り巻く課題解決に向けて多様な視座を学ぶとともに、専門分野を活かした革新的技術の創出に取り組んでいる。

 私が岡山大学に入学したとき、岡山大学はすでにグローバル化への対応や実践人の育成に向けた動きが当たり前になりつつありました。
 例えば、私が学部に入学した年から4学期制が導入されました。授業時間内で講義だけでなく演習やディスカッションの時間が十分に取られ、岡山大学が学びの強化に向けて動いていることを体感しました。また、この授業時間の改定により長期休暇を利用した活動がしやすくなり、私だけでなく多くの学友が語学留学や長期インターンシップに参加し、自己研鑽に励むことができました。
 また留学生と日本人学生が集まるL-caféは、入学当時すでに多くの学生に親しまれる存在となっていました。L-caféで実施されるレベル別の語学レッスンは留学生が主体となって行われており、英語を学ぶだけでなく留学生や他学部の学生とも交流することができる場であり、今となってはヘルスシステムに繋がる多様な視座を得るきっかけになったと考えています。
 大学院では、専門である生物工学の学びを深め革新的な技術の開発を目指すとともに、医療現場を構成する人々としくみ(ヘルスシステム)の課題を理解する多様な視座の獲得を目標としています。専門分野のみに傾倒するのではなく、物質面そして人間の理解を併せ持つことで、社会において求められるより理想的なモノやアイディアを創出することが可能となります。本研究科には医学系・人文科学系・工学系の異なるバックグラウンドを有する学生が在籍するため、授業の際も各人の専門の垣根を越えたディスカッションが活発に行われ、自身の日頃の研究活動だけでは得られない気づきが多くあります。
 また、「先進病院実習」をはじめとする先駆的な実習科目では、現在の社会や医療現場の課題に直に触れられる他に類を見ない貴重な経験が得られます。現代社会が抱える課題を医師や患者様、企業の方々から直接伺うことで、学生の身分でありながらもよりリアリティーをもって社会課題を意識し、日々の研究活動に取り組むことができています。
 私は学部生のときアイルランドにあるダブリンシティ大学へ短期語学留学しました。留学生と触れ合う中で日本の外側を肌で感じたい気持ちが強まったとともに、学びをより深めるためには英語が重要なツールであると感じたからです。
 一念発起し日本を飛び出したものの、現地ではフランスやトルコ、韓国など異なる文化、異なる宗教を持つ人々が集まる中で、私は縮こまってしまっていました。しかし、数日間ともに学ぶ中で、彼らは自分と異なる存在ではなく同じであると気づきました。自分と同じように学びたいという気持ちをもって母国を飛び出した同志なのです。そして彼らとともにどんなに些細な疑問でも何度も質問し、話し合い、貪欲に学び続ける中で、同じことをしても得られる対価は自分の働きかけ次第で何倍にもなるのだと学びました。
 グローバル化がますます進行する現代社会において、自分の外側にいかに働きかけるか、ということがこれまで以上に重要になると私は考えます。そして現在も解決されない社会課題を解決し持続可能な社会を実現するには、これまで以上に国や地域、文化や分野にとらわれず、他者と協働し、互いに理解し合い、課題に対し多角的にアプローチしていく必要があります。未だ見ぬ新たな知の創出をめざし、これからも貪欲に学び続けます。

(2020年11月時点)

OTHER MESSAGE