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在学生
松本 颯太
MATSUMOTO Sota
法学部
高度実践人(グローバル)認定
Profile
広島県三原市出身。岡山大学法学部昼間コース、グローバル人材育成特別コース所属(2021年3月卒業・修了)。
イギリスのエディンバラ大学に約9カ月留学。帰国後は、One Young World 2019 ロンドン大会に参加するなど、精力的に国際的な活動に取り組んでいる。2020年5月岡山大学高度実践人(グローバル)認定、同年10月岡山大学金光賞受賞。
大学3回生の時に、「One Young World 2019 ロンドン大会」(10月22~25日)に参加しました。
これは、2009年の世界経済フォーラム「ダボス会議」において宣言され、2010年より年に一度、世界190カ国以上から18〜30歳の若い世代が集う、世界最大級のサミットとして、地球規模の課題に対し、SDGsを軸として、産官学が一体となって問題解決を目指すフォーラムです。
参加した理由は、世界中から集まる様々な背景を持った人々と繋がることで自分の世界を広げると同時に、地球規模の課題に対してどのような取り組みをすべきか、また若いリーダー達は既にどのようなアクションを起こしているのかを知ることで世界を変える一員となる第一歩にしたかったためです。サミット中は朝早くから夜遅くまでSDGsを枠組みとした多岐にわたるテーマのセッション、ワークショップや交流会、またノーベル平和賞受賞者などの現職の世界のリーダーのスピーチなどが組まれていました。
各人の行動は完全に自由でしたが、限られた時間のなかで最大限の学びを得たいと考え、セッションを通して可能な限り多くのイベントに行き、様々な考え方の人々と触れ合いました。
特に想像もできないような体験をされている方との出会いは、日本で生まれ育った自分には話のスケール、衝撃が大きすぎて、そのような問題に対して経験のない自分に一体何ができるのだろうとも悩みました。
貧困やテロ、差別など様々な体験を本人から直接聞くことで、臨場感そのままに入ってはくるのですが、日本で暮らしている限りでは全く縁のない問題に関して、どのようにしてこの人たちと同じ立場に立って取り組めば良いのかが分かりませんでした。
また、イギリスの作家J.K.ローリングさんの「孤児院の子供達を救いたいのなら、孤児院でボランティアをするな、孤児院に寄付もするな」というお話を聞き、孤児院の運営側が利益を搾取している背景を知らないと、善意も悪い方向に繋がってしまうことを知り、改めて問題解決の難しさに直面しました。
このような問題に対して、みなが同じ立場で同じことを目指す必要はなく、その国・その人にはそれぞれにできることがあるのだと気づきました。
例えば、SDGsのアジェンダで理念とされた「No One Left Behind」という言葉は、もちろんあらゆる場所・状況・理由によって苦しんでいる人を誰1人として残さず問題に取り組むという意味ですが、これは日本においては、関わらなくても不自由なく生きていける人々をどのようにして「取り残さず」巻き込んでいけるか、ということも意味すると思います。
また、上記の孤児院の例にもあるように、表面的な認識では、私たちの善意の行動がかえって問題を助長しかねないため、まずは現状とその背景をしっかりと知ることが重要だと考えました。
このように、しっかりとした認識の上で、自分だからこそできることを一人一人が考え、行動に移すことで、全ての人が全ての人に対してケアしていける本当の「No One Left Behind」が実現されるのだと学びました。
本サミットの経験は、異なる観点を吸収すると同時に自分自身の考え方も向上させることができ、人生の中でも最も濃い4日間であったと確認しています。
(2020年11月時点)
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