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在学生

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瀬崎 景己
SEZAKI Hiroko

文学部

Profile
岡山県倉敷市出身。岡山大学文学部人文学科哲学芸術学専修コース(2018年3月卒業)。
2015年度国際インターンシッププログラムに参加し、カナダのブリティッシュコロンビア大学生と共に院庄林業株式会社にて就業実習に参加。集成材製造・加工業務を通じて林産業を経験する。

 「大学を飛び出して、社会を見てみたい」。そんな思いに導かれて「国際インターンシップ」に参加しました。私は大学で哲学を学んでいます。哲学者と共に考え、「あたりまえ」を疑うことで、今まで見えなかった問題が浮かび上がる瞬間は刺激的です。本との格闘は大学生活の醍醐味ですが、身をもって社会や働くことを知りたい気持ちがありました。
 インターンシップのミッションは「2週間会社を見学・就業し、改善提案すること」でした。改善提案の事例として、工具の置き方を変えることで、工具を探す時間のロスが減ったという例を教えて頂きました。小さな「あたりまえ」に気付いて改善することが、会社への貢献に繋がることを知りました。とはいえ、自分の専門とは全く関係のない林産業という分野で、大学とは異なるルールで動いている会社。この二重の非日常の中では何が「あたりまえ」なのか気付くのも一苦労です。毎回、現場の方に質問し、その日わかったこと・考えたことを報告書にまとめました。様々な方と話す内に、「危険表示のピクトグラム化」を思いつきました。従業員の中にはアジア圏出身の方が少なくありません。その方たちにお話を聞くと、「日本語は聞ける・話せる。でも、読めない・書けない。」という人がほとんどでした。そんな中、就業初日に受けた安全教育を思い出しました。工場内には危険が多く潜んでいます。そのため、危険表示がされていますが、ほとんど漢字表記でした。せっかく危険表示があるのに、漢字が読めず、伝わっていない従業員がいるかもしれない。この「あたりまえ」を変えることで、防げる危険があるのではと考え、改善提案しました。この提案は採用され、工場内の危険表示はピクトグラム化されました。小さな「あたりまえ」の改善が会社への貢献に繋がりました。
 振り返ってみれば、このインターンシップでの報告書作り、「あたりまえ」に気付く力、そして、それを他人に正確に伝えるプレゼンテーション…どれもすでに大学で、研究ノート作り、批判的思考力、研究発表として行っていました。一見すると分断しているかに見える2つの世界——普遍性を探究し、頭で反応する大学と、その場の状況に合わせて即興的に反応する職場——これらを結ぶ繋がりが見えました。
 また、「国際インターシップ」は自らの未来とも繋がっていました。インターンシップを通して岡山の地元企業が業界内で活躍している様子を目の当たりにし、地元企業を見直すきっかけになりました。2018年春からは岡山県北で林産業に携わります。「国際インターンシップ」で得たこの繋がりがどこへ続いていくのか、とても楽しみです!

(2018年3月時点)

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