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在学生

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モラレス アリアナ
レイナ クイント
MORALES Alyana Reina Quinto

グローバル・ディスカバリー・プログラム
フィリピン出身

 Alyanaと申します。生まれも育ちもフィリピンです。地元の小さな幼稚園からセント・スコラスティカズ・カレッジ・マニラの附属小学校に入学し、同附属中高を卒業しました。留学したいと思うようになったのは高校生の頃です。私はビジュアルアーツ、料理、非営利活動、ビジネスなど、色々なことに興味を持っていますが、学校の課外活動では決まって美術を選んでいました。クラブはいつも美術部で、校内や時には学外の美術コンテストに応募していました。高校では、将来大学で学びたいことにつながるコースを選択するのですが、周囲の予想に反して私が選んだのは、調理や製パンやドリンクの基礎を学ぶ料理コースでした。高校生活の最後の2年間はキッチンが私の教室でした。非営利活動への興味が芽生えたのは、学校のボランティア活動が主なきっかけです。私の学校では毎年、困った人を助けるボランティア活動を目的とする行事や社会見学が行われていて、孤児院や高齢者施設、貧困地区などを訪問していたのです。学校に子どもたちを迎えて、食べ物やゲームやプレゼントでもてなしたこともあります。ビジネスに関心を持つようになったのは両親の影響です。両親は、フィリピンで害虫駆除の仕事をしたり、ベトナムでアイスクリーム店を開業したりするなど、色々なビジネスを手掛けてきました。このように興味の対象が多すぎて、どのコースが一番自分に合っているのか、なかなか決めることができませんでした。
 岡山大学のグローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)では、学生が自分でカリキュラムを組み、思い描く将来の進路に役立ちそうな科目を「文化的多様性とコミュニティ」、「社会イノベーションと起業」、「超域科学」の3つのクラスターから選択することができます。私は「社会イノベーションと起業」の科目を中心に受講していますが、他の2つのクラスターからも面白そうで役立ちそうな授業を選択しています。これまでに「人材マネジメント」、「非営利経営学」、「人類学」、「社会学」の授業を幅広く履修する一方で、農学部の授業も幾つか受講してきました。
 留学先に岡山大学を選んだのは、英語と日本語の両方で学べるGDPがあったからです。このプログラムでは、普段使っている言語で学ぶと同時に、日本語の授業を受けることもできます。また他学部の授業を履修するのも自由です。自分が面白いと思う授業や、卒業研究に役立ちそうな授業を選択できるなど、選択肢が広いのがこのプログラムのいいところです。また「グローバル・ディスカバリー・プログラム」という名称もその内容をよく表しています。履修科目を学ぶだけでなく、興味が持てる対象を新しく発見することができるからです。
 さらに学生の多様性もこのプログラムの魅力です。クラスメイトや友人は皆ユニークな背景の持ち主で、会話や議論ではいつもそれぞれの母国の相違点や共通点の話で盛り上がります。フィリピン国内で進学していたかもしれないことを考えると、気が付けば当たり前のように世界各地から集まった留学生と一緒に日本で勉強をしている今の状況は、なんだか現実離れしているように感じます。これは岡山大学でしかできない体験だと思います。
 学生の多様性はGDPに限らず、他の学部についても言えることです。この2年間で私は、日本人学生も留学生も含め、面白い背景を持つ人たちと出会ってきました。他学部の学生であれ、岡山大学短期留学プログラム(EPOK)の留学生であれ、その中には必ず、多様な背景を持つ人たちや、熱心に自分のことを知ろうとしている人たちがいます。ほとんどは岡山に来た当初に暮らしていた留学生寮で知り合った人たちですが、中にはイベントやコンテストで出会った人や、友人を介して仲良くなった人もいます。
 GDP所属の留学生として、普通の大学生とはかなり違った学生生活を送っています。私は外国人で、話す言葉も違います。GDPに来る前は日本語の知識はゼロでした。バスや電車の乗り方も分からず、自転車に乗ることもできませんでした。来日する前に自転車に乗ったのはたったの3回しかなかったのです。徐々に岡山の生活に慣れてくるとすぐにその良さが分かってきて、やがて何も困ることなく行きたいところに行き、日常生活を送ることができるようになりました。岡山には、この土地ならではののんびりとした穏やかな風土があります。そして友達とコーヒーを楽しむことができるカフェや、散歩に適した気持ちのいい場所がいくつもあります。
 キャンパス内では、Jテラスカフェでコーヒーやデザートをいただくのが私の楽しみです。私はこの場所の雰囲気と整然とした佇まいが好きで、対面授業の合間に、C棟とD棟の間のテーブルでのんびりと時間を過ごすこともあります。駐輪場の周りには緑が多くて、自然を感じることができます。また図書館で英語の本を借りたり、授業に備えて自習したりすることもあります。
 総じて言えるのは、岡山大学が留学生に対してオープンだということです。日本の生活に慣れるための留学生支援も充実しており、また授業でも課外活動でも留学生と日本人学生が一緒になって色々な体験を共有しています。そうした経験を通して、海に隔てられて遠く離れていた者同士でも、何の問題もなく仲良くなれることが実感できるのです。私たちは皆同じ人間です。共通点もあれば、相違点もあります。だからこそ大学生活はこんなに面白いのです。

(2022年1月時点)

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