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卒業生

卒業生

藤本 尚美
FUJIMOTO Naomi

(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート

医学部 2017年度卒業

高度実践人(グローバル)認定

Profile
兵庫県赤穂市出身。岡山大学医学部保健学科入学後、グローバル人材育成特別コースに所属。在学中に、NPO法人ジャパンハートが運営するカンボジアの医療センターにてインターンシップを経験。卒業後は岡山大学病院に看護師として就職。2021年12月からNPO法人ジャパンハートへ転職し、インターンシップで行ったカンボジアの医療センターで勤務している。

 小学6年生の時、母とともに海外ボランティアに参加し、アゼルバイジャンで貧しい子どもに物資を届ける活動を経験。その場所に生まれただけで、戦争や貧困に苦しまねばならないという不平等を目の当たりにしました。その時に何も出来なかった悔しさから、国際問題に関わる仕事に就きたいと思うようになりました。国連などで働く方が根本的な解決に繋がりやすいのかもしれませんが、目の前で困っている人達を直接助けたいという思いから、海外で活躍できる看護師を目指しました。岡山大学では、副専攻として海外に目を向けた学びができるグローバル人材育成特別コースも履修できることを知り、入学を決めました。  
 在学中は看護師になるための勉強や実習で慌ただしく過ごす中、1カ月間の国際的なインターンシップに2回参加しました。2年次に参加したNPO法人ジャパンハートのインターンシップでは、同団体がカンボジアで運営する医療センターに派遣されました。手術の見学や医療器材の洗浄、新生児の沐浴介助などの医療活動支援だけでなく、掃除や洗濯など医療環境を整えることも仕事のひとつでした。日本の医療機関では当然のようにある清潔な環境も、カンボジアでは気づいた人が掃除等をやらなければなりません。たかが掃除や洗濯でも医療行為を間接的に支えているのだと実感し、医療スタッフが最大のパフォーマンスで活動できるためには、どの仕事も重要だと学びました。
 現地スタッフと医療知識を共有する際には、日本の知識を押し付けるのではなく、相手の考えを理解しながら伝える難しさを、現場を見ていて感じました。また、現地で先輩看護師に将来のことを相談した際に「一人前になってから海外へ、と思っているといつまでも行けないよ」と助言をいただき、学び続ける姿勢と決断力が大事だと教わりました。  
 卒業後は、日本で看護師を3年経験した後必ず海外に行こうと決め、就職先は教育体制の整った岡山大学病院を選びました。1年目はなかなか思うようにいかず、人生で一番苦しい思いをしましたが、同期や先輩看護師、家族の支えがあって、何とか乗り越えることができました。後輩の教育に当たることも年々増える中で、強く指導するというよりは、困っていることに気付いて声をかけてあげられるよう心がけていました。  
 2021年11月末に岡山大学病院を退職し、学生時代にインターンシップで行った、カンボジアの医療センターに看護師兼プロジェクトメンバーとして就職します。手術の補助など看護の仕事とともに、支援した患者さんの経過がわかるドネーションアプリを使った活動に携わる予定です。また、現地での需要に応じて母子健康手帳の普及にも関わっていきたいです。言語や文化に関係なく目の前にいる様々な人が安心して医療を受けられるよう支援したいと思っています。  
 私はこれまで、やらずに後悔するよりやって後悔した方が良い、という気持ちで貪欲にチャレンジしてきました。支えてくれる家族・友人に恵まれていたから、そして素晴らしい学びの機会がある岡山大学へ入学したからできたことです。皆さんも、少しでも気になることがあるなら、是非やってみて欲しいと思います。継続することも挑戦することも容易ではないかもしれませんが、一歩踏み出した人にしか見えない景色が、きっと待っています。

(2022年1月時点)

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