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在学生

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津山 家野
TSUYAMA Khaya

グローバル・ディスカバリー・プログラム

高度実践人(グローバル)認定

Profile
南アフリカ・東京出身。グローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)に所属。
岡山大学入学後はローカルマーケティングを専門的に学ぶため、英国のエディンバラ大学に留学。留学後は瀬戸内海に位置するベネッセアートサイト直島を研究。2021年7月One Yong World 2021にオンラインで参加。

 私は南アフリカ共和国で生まれ、10歳まで南アフリカ共和国で過ごし、その後東京に移り住みました。父は南アフリカ人、母は日本人で、両親はアパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃し、民主的な社会をつくる活動を行い、貧困地域での教育などに関わっていました。私は民主化後の南アフリカで育ち、自由で活気のある学校や社会で、人種を超えて多くの友人ができました。
 高校卒業前の2ヶ月間、トビタテ留学JAPANの高校生国際ボランティアコースの奨学金を得て、南アフリカの小学校で図書室設置やスポーツ活動、ストリートチルドレンのケアに関わりました。高校卒業後は、ギャップイヤーを1年間取り、マーケティングや企画を経験するために2つの企業で有給インターンを経験しました。大学は東京を離れて、地方都市でローカルとグローバルの融合による社会発展や経営を研究・実践したいと思い、岡山大学に入学しました。
 2回生の時に留学したエディンバラ大学では、ローカルマーケティングを専門的に学ぶため、経済学やマーケティングを軸にして新興国の経済を学ぶ等、幅広く授業をとりました。また、ディベートなどの課外活動にも積極的に参加しました。留学先では周りの学生のレベルが高く、授業についていくのが大変であったり、文化の違いに戸惑うこともあったりと、様々な困難もありました。しかし、「Society」での活動やチュートリアル(少人数のスタディ・セッション)を通して出会った友人たちと勉強会を開いたり、スコットランドやヨーロッパの芸術に触れたりするにつれて生活も充実していきました。2019年のクリスマスは、友人たちとオランダで過ごしました。朝は教会に行き、昼はゴッホ美術館をめぐり、その後フィルムハウスで皆と食事をしたことは心に残る思い出です。この友人たちは非常に多彩で、哲学好きな友人からはヘーゲルを学び、映画好きな友人からはタルコフスキー(ソ連の映画監督)を学びました。詩が好きな友人とは、いま一緒に雑誌を作ろうとしています。エディンバラで出会った友人たちのおかげで、とても貴重な留学となりました。
 帰国後は、ローカルとグローバルの融合によるアートと住民参加に関する研究を行う中で、岡山大学とベネッセホールディングの瀬戸内海に浮かぶ島々の地域や住民を対象とした「well-being:ウェルビーイング」の共同研究にリサーチアシスタントとして参加するチャンスを得ました。瀬戸内海の離島に展開する現代美術に関する様々な活動の総称である「ベネッセアートサイト直島」では、芸術作品を通して瀬戸内の島々の歴史や文化等が伝えられています。これらのアートサイトが完成するプロセスまでもがコミュニティー(地域)との協働を意識していることを学びました。この共同研究に参加したことで、将来、芸術の可能性が発揮できるような活動に取り組みたいと考えるようになりました。
 また、共同研究での経験を中心としたプレゼン発表や面接などの選考を経て、2021年7月にドイツでオンライン開催されたユースの国際会議「One Young World(OYW)2021」に岡山大学の代表として選出されました。OYWでは世界各国のリーダーからスピーチを聞き、様々なプロジェクトを進めている若者と対話することで、大変刺激を受けました。アートの世界の可能性についても、他分野と連携するなど、今後の具体的なアイディアをいただきました。OYWに参加したことで、世界190ヵ国からのユースと学び合い、議論するかけがえのない経験となりました。
 南アフリカの人々が大切にしている言葉に「Ubuntu (ウブントゥ)」があり、「人は他者を通して人になる」という意味です。私のこれまでの経験や学びは、周りのコミュニティやチャンスを与えてくれた人たちから実現しました。そしてこれからも、「人」のつながりを大事にして、好奇心と探究心を持ち続け、社会に貢献したいと思います。

(2021年11月時点)

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