JP EN
English

MESSAGE

卒業生

卒業生

宇野 希美
UNO Nozomi

国際連合日本政府代表部
(国際交流サービス協会)

医学部 2016年度卒業

Profile
岡山県倉敷市出身。岡山大学医学部保健学科入学後は、L-caféの活用や国際学生シェアハウスへの入居により、多言語・異文化を体験し、留学生とコミュニケーションを育む。卒業後は岡山大学病院で看護師として約2年勤務した後、海外への強い思いから、国際連合日本政府代表部に転職し、派遣員として米国ニューヨークに渡る。

 私は6歳から12歳まで、米国ヒューストンの学校に通っていました。米国では人助けの文化が根付いており、小学校でも食べ物・衣服の寄付やNPOなどによるファンドレイジング(資金調達)の募集がよく行われています。そうした活動に触れる中で、漠然と「世界平和に貢献できる人材になりたい」という夢を抱くようになりました。日本に戻ってからもその気持ちが消えることはなく、まずは身近な人の健康に貢献していきたいと考え、看護師になるために医学部保健学科看護学専攻に進学しました。
 将来は日本人として海外で活躍したいと思っていたので、入学後は学内の「L-café」を積極的に利用していました。学内にいながら国際的な交流をどんどん広げていくことができる、とても良い空間だと感じました。4年生の時には「国際学生シェアハウス」の入居を希望し、半年間入寮しました。フランス、タイ、ミャンマーの留学生とルームメートになって一緒に生活してみると、文化・習慣・食生活など日本人の私とは違う点ばかりでした。短い期間ではありましたが、「相手を知り、受け入れることの大切さ」を日本にいながら学ぶことができました。同時に、自分のことを知ってもらおうとする中で「日本人のアイデンティティとは何か」を考えさせられました。その答えは今でも模索中ですが、平和的なところ、様々な人や国の関係性を良好に保とうとするマインドに日本人の良さがあるのではと思っています。
 卒業後は岡山大学病院に就職し、泌尿器科の看護師として仕事に打ち込みました。約2年間業務を全うした後、国際連合日本政府代表部に転職し、派遣員としてニューヨークに赴任しました。転職を決意したのは、海外で活躍できる看護師になるためにも、経験を積むなら今しかないと思ったからです。そして、得意とする英語を生かして「世界平和に貢献できる職」を探していた時に出合ったのが現在の仕事でした。
 業務内容は閣僚の米国出張時の各種旅程調整・現地アテンド、会合の議事録作成・翻訳、記者会見の準備・手配など多岐にわたります。これまで様々な会合やイベントを担当してきましたが、特に印象に残っているのは2019年の国連総会です。国際社会の平和と安全を守る国連の活動を間近に感じ、各国首脳の関係性も見えるなど、ここでしか得られない貴重な経験ができました。
 ニューヨークでこの仕事をしていると、企業から派遣された駐在員、芸能を学びに来たアーティスト、ミシュランレストランで働くシェフの方など米国で活躍している多くの日本人と関わる機会があります。その皆さんに共通しているのが、明確なビジョンを持っていることです。その実現に向けて失敗を恐れずに行動を起こし、数々の経験を積み、その結果として確固たる自信を身に付けています。その姿に、私はいつも刺激をもらっています。海外で活躍するためには「海外に行きたい」というぼんやりとした考えではなく、具体的な目標と計画を持つことが必要だと思います。でも、まずは一歩を踏み出すことが一番大切です。世界は遠いようで、すぐそこにあります。

(2021年2月時点)

OTHER MESSAGE