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在学生

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パンディタ スサムポン
Pandita SUTHAMPORN

グローバル・ディスカバリー・プログラム
タイ出身

 グリーティングス!チャオ!こんにちは!サワディーカ。パンディタ・スサムポン、通称パンパンと申します。岡山大学のグローバル・ディスカバリー・プログラムで学ぶ学部生です。2014年に故郷のバンコクから日本に来て、一期生としてインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)に入学しました。落ち着いた町、軽井沢にあるISAKは、数名の篤志家や熱心な教育者、そして発起人の小林りん氏によって創設された学校です。ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンで3年間学び、この学校を卒業したことは私の人生の大きな出来事であり、私のささやかな誇りです。思い返せば、私の日本での経験はISAKから始まりました。学校のモットーである「可能性の開花」に向けて努力し、めまぐるしく変化するこの世界で活躍するための知識とスキルを身に付ける機会を無限に与えてくれたのがISAKでした。日本に来なければこれだけ充実した日々を送ることはできなかったでしょう。そして先生方がおられなければ、これほど深く日本を体験することも、与えられた機会を最大限に活かすこともできなかったと思います。先生方は私の生涯の師であり、友人です。そして何よりも、人生の激動期をずっと伴走してくださった私の心の父母、心の家族です。
 この拙文を通して、今日の私を育ててくださったすべての人たちに思いを伝えることができればと願っています。こうした人たちの存在は、私の人生の大きな部分を占めています。その教えや導きがなければ、とてもここまで来ることはできなかったでしょう。
 私は、新旧の世代が同居する結束の固い中国系タイ人の家庭で育ち、世代から世代へと受け継がれてきた知恵や人生観を身に付けてきました。一般的な中国人家庭のイメージとは異なり、私は家族の無条件の愛を一身に受けて育ちました。幼い頃から私は、良いことも悪いことも、人生で起きるすべてのことを受け入れなさいと祖父母から教えられてきました。そうすることで豊かな心を育て、内側からより良い人間に成長することができるのだと。強いワーキングウーマンである母は、子どもの教育となると絶対に妥協することがなく、子どもたちが自分よりも良い人生を切り開く機会を絶えず求めてきました。また母の理想的なパートナーである父は、子どもたちが自分というものをしっかりと持つ女性に成長することを強く望み、自分の大切なものを犠牲にしてでも、子どもたちには広い世界を知り、天職に必要なスキルを身に付けてほしいと考えています。文部科学省の奨学生として京都大学で学んだ叔母や、トヨタのエンジニアとして働く叔父のように。
 私が尊敬する人たちに備わったこうした価値観は素晴らしいものであり、この人たちが他の人たちと違っているのもその価値観ゆえだと思います。日本は私だけでなく、私の多くの家族の前にも扉を開いてくれました。このような機会を与えられなければ、その人生は違ったものになっていたでしょう。だからこそ私は日本の高校に進学し、さらに日本で高等教育を受ける道を選んだのです。また日本の生活様式に見られる繊細な価値観は叔母や叔父の生き方にも反映されており、私を日本の魅力の発見へと駆り立ててくれました。叔母や叔父を模範的なロールモデルとして、私も前向きな変化を起こせる人間になりたいと思っています。人々がポテンシャルを発揮するための力になりたいという思いは、何にもまして私の心を奮い立たせます。
 最後になりましたが、ISAK‐日本財団の奨学生として岡山大学のグローバル・ディスカバリー・プログラムに参加できること嬉しく思います。このプログラムの提供する社会イノベーションと文化的多様性のクラスターは正に私が将来に向けて勉強したいと思っている分野であり、過去の経験で培った分野横断的知識とこのプログラムで学んだことを活かして、人々がポテンシャルを発揮するための力になりたいと思っています。そして今後どこで暮らすことになっても、この世界をより良いものにするために尽力したいと考えています。ここグローバル・ディスカバリー・プログラムで素晴らしい先生や仲間のサポートを受けて学ぶことで、私は自分が人生の目的に向けて前進していることを実感しています。これは望む限りの最高の喜びであり、幸せなことだと思います。

(2018年3月時点)

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